Daring Cities 2025 第1回Reflectウェビナー開催

3月5日、Daring Cities 2025プログラムの一環として、第1回Reflect(反映)ウェビナーが開催されました。
ウェビナーでは、イクレイグローバル・アドボカシー・ディレクターのユヌス・アリカン氏が開会の挨拶を行い、COP29の成果を振り返り、CHAMPイニシアティブ(※¹)の進捗状況とその継続的な発展に関する「自治体(Local Governments and Municipal Authorities: LGMA)」の見解を共有するほか、2025年に向けた重要な要点と優先行動も紹介しました。また、気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)に参加した自治体のリーダーから経験・知見を共有しました。
米国テキサス州・トラヴィス郡委員であり、イクレイアメリカ理事長のブリジット・シア氏が、米国の政治情勢における気候変動対策について語りました。トランプ政権によって米国が科学や国際合意から後退していることに懸念を示し、気候変動問題への取り組みは今や自治体に委ねられており、イクレイアメリカのような組織の活動がより重要になっていると述べました。また、シア氏は2025年11月にブラジルのベレン市で開催されるCOP30が、気候変動対策の効果的な道筋を示してくれることを期待しており、COPのような国際的なフォーラムの意義・重要性や、イクレイアメリカの理事会に多くの市長が参加するようになったことにも触れ、気候変動に対処するための世界的な努力の必要性を強調しました。
続いて、イクレイ南アメリカ事務局長のロドリゴ・ペルペトゥオ氏によるファシリテートのもと、ブラジルのCOP30議長を務める元駐日大使のコヘアドラゴ氏を含むブラジルの気候リーダーが、ブラジルにおけるマルチレベルの気候変動対策とガバナンスを振り返りました。COP29期間中、ブラジルは、マルチレベル・ガバナンスと協調に強く焦点を当てたNDC3.0(国が決定する貢献)を国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に提出しました。2035年までに温室効果ガスの排出量を 2005 年比 で 59%から 67%削減するというブラジルの新たなコミットメントが大きな話題となりました。
最後に、イクレイ世界事務局のスタッフが、Daring Cities 2025の今後のスケジュールについて説明し、タウンホールCOP(※²)についても紹介しました。タウンホールCOPは、2025年における自治体の重要な役割を強調し、気候変動に関する地域社会の対話を促進することを目的とした、イクレイが自治体にその開催を推奨する新しいイニシアティブです。
※¹ CHAMP(Coalition for High Ambition Multilevel Partnership): NDC(国が決定する貢献)やNAP(国家適応計画)等の計画や実施において、地方政府との連携強化を宣言した政府のコミットメント。日本を含む70か国以上が署名
※² タウンホール COP(Town Hall COPs)イニシアティブは、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)のいわばローカル版であり、自治体が気候運動を身近なものにするための枠組。住民を巻き込み、地域によるリーダーシップを紹介し、国家の気候計画や行動に直接影響を与える。イクレイは会員自治体のタウンホールCOP開催のための支援を実施するほか、世界各地におけるタウンホールCOPの開催状況をまとめ、COPで発信する。
当日の録画映像