【開催報告】生物多様性国際自治体会議 in 愛知県名古屋市
2010年10月24日から26日の3日間にかけて、イクレイと生物多様性条約(CBD)事務局の協力の下、愛知県と名古屋市の主催で、生物多様性国際自治体会議がCOP10のサイドイベントとして開催されました。都市と生物多様性、そして自治体の役割に焦点を当てて開催されたこの会議には、世界中から230以上の自治体と国際機関、締約国などが参加しました。日本国政府やブラジル、英国政府など8締約国からの自国での都市や自治体の役割に関するスピーチや、46自治体からの取組の発表を含めた会議プログラムでは、ディスカッションなどの時間も設けられ、各国の首長などによる活発な意見交換も行われました。
この会議は、自治体同士の事例発表や意見交換、ネットワークづくりを行うだけではなく、ブラジル政府をはじめとする生物多様性条約の締約国によって準備が進められてきた、「生物多様性のためのサブナショナル政府、都市その他地方自治体に関する行動計画(2011-2020 年)」のCOP10での採択への支持を表明するものでもありました。これは、締約国によって生物多様性保全活動を進めていくにあたり、自治体の役割が不可欠であることを認識し、自治体をサポートすることによって生物多様性保全が実現していくための行動計画であり、自治体会議で採択された「地方自治体と生物多様性に関する愛知・名古屋宣言」でも、この行動計画へ支持が盛り込まれました。この宣言では、自治体として具体的に生物多様性保全に貢献するための取組や国際的な連携などについても言及されています。
自治体会議の代表者として、愛知・名古屋宣言は愛知県知事と名古屋市長が、28日に開催されたCOP10のハイレベルセグメント(閣僚級会合)で「愛知・名古屋宣言」を発表し、自治体として締約国が行動計画を採択することへの支持を示しました。これらの動きによって、29日に行動計画も正式に採択され、今後各国政府が生物多様性保全を進めていく上で、自治体との協調や支持を促すものとなりました。また、気候変動枠組条約などにおいても、自治体の役割や重要性が認識されることを促すものとなるでしょう。
また、併設されたイクレイブースでは「自治体による生物多様性活動-アジアでの事例」が配布されました。