【開催報告】第2回生物多様性国際自治体会議 Cities for Life in インド・ハイデラバード
2012年10月15-16日、インドのハイデラバードで、第2回目となる生物多様性国際自治体会議(主催:ハイデラバード市・イクレイ)が開催されました。(環境省概要はこちら)
クリティバから始まった生物多様性締約国会議(COP)における自治体会議は、ボン(COP9)、名古屋(COP10)を経て、今年のインド ハイデラバードのCOP11での開催に引き継がれてきました。会議の規模も次第に大きくなり、今回のCities for Life会議(10月15日~16日、COP会場内で開催)への登録人数は、400名ほどになりました。日本からは、愛知県(知事出席)、名古屋市(市長出席)をはじめ、東京都、兵庫県が出席し、国連大学高等研究所、政府、企業、専門機関の人々も加わって合計39名。国別人数ではインドに次ぐ参加になりました。
2年前のCOP10の自治体会議は、生物多様性保全条約の目標達成において自治体の貢献が重要であることを締約国が正式に認め、文書に明記する決議を後押しすることを目的としており、その成功は、自治体にとっての歴史的な成果となりました。これを踏まえた今回のイベントでは、自治体や自治体組織の活動報告に加えて、全般的状況をとらえた「都市と生物多様性白書(Cities and Biodiversity Outlook)」の発行、CEPAガイドラインとりまとめ、目標管理のための指標開発の紹介、国・州や県・基礎自治体との協働体制のセッションが設けられました。条約事務局をはじめとする国連関係機関や研究機関、自治体やイクレイ等が参加し、国際的な動向の調整や協議の場になっているグローバルパートナーシップにも、サブナショナル部門ができ、会議2日目午前中にサブナショナル(州、県等)会議が並行して行われた(愛知県、兵庫県、東京都が生物多様性管理手法や保全計画・活動内容を発表)ことも、今回の特徴でありました。愛知目標達成に向けて、自治体のためのツール開発が進み、これらの普及を通した活動拡大とともに、具体的な成果が求められてきたと言えます。
COP11には170カ国政府が参加し、19日まで開催されました。条約事務局長が冒頭に述べたように、愛知目標を各国が達成するために必要な資金調達が議論の中心になっているから、COP11全体の議論の方向性や結果も重要です。
関連情報
- COP11議論内容や結論等(条約事務局ウェブサイト)
- 日本政府の会議評価:環境省ウェブサイト
- 「都市と生物多様性白書(Cities and Biodiversity Outlook)」
- 「都市と生物多様性白書(Cities and Biodiversity Outlook)」概要の日本語仮訳
(株)博報堂の川廷昌弘様からのご提供この白書では、都市化と生物多様性と生態系サービスに関する総合評価の概要を解説しています。世界中の120 人を越える科学者と政策担当者が、都市化が生物多様性と生態系サービスに及ぼす影響について解説し、都市における自然資源の保全と持続可能な利用を強化す るための10 のキーメッセージを提言するもので、科学的に詳細なアセスメント「世界的な都市化の概要 生物多様性と生態系サービス-挑戦と機会」の要約から構成されています。これは生物多様性条約事務局とストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・ センターの共同作業によるもので、イクレイからも多くの情報提供を行いました。