食糧と気候に関するグラスゴー宣言賛同呼びかけ
食糧と気候に関するグラスゴー宣言とは?
食糧と気候に関するグラスゴー宣言(以下、「グラスゴー宣言」と記す)は、先進的に気候危機に取り組む都市、地域、政府が結集して気候危機を緩和するための統合的な食糧政策の開発を加速することを誓い、各国政府に行動を呼びかけるものです。
2021年11月にグラスゴーで開催される気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では、各国の現在の公約(NDC)と、気候と自然の緊急事態に取り組むために必要で大幅な変革との間のギャップを埋めるという、途方もない課題に直面します。
2021年は、第1回国連食糧システムサミットをはじめとする多くの重要なイベントで、食糧、自然、気候を結びつけようという機運が高まっており、COP26は食糧システム改革を気候変動対策に関する議論の最前線に持ってくる絶好の機会となっています。
グラスゴー宣言は、このような機運を利用し、世界都市フォーラム・メデリン、ミラノ都市食料政策協定、C40などによるこれまでの活動を踏まえ、生物多様性、生態系の再生、循環型社会、すべての人のための持続可能で健康的な食生活へのアクセス、農場や食品労働者のための回復力のある生計の創出などのコベネフィットを備えた、気候の緊急事態に対する統合的な解決策として、食糧システムの変革をCOP26にもたらします。
グラスゴー宣言は、どのようにゼロ・カーボンに貢献するのか?
ゼロ・カーボンの目標を含む温室効果ガス(GHG)排出削減は、グラスゴー宣言に不可欠な部分です。グラスゴー宣言の署名者は、フードシステムのすべての要素からのGHG排出量を削減する目的で、気候変動の緩和と食糧政策の目的を統合することを約束しています。また、グラスゴー宣言は、食品廃棄物の削減、食品の生産・加工・輸送におけるカーボンフットプリントの改善、食生活の改善など、食品からの排出削減を測定・評価するための適切な指標を開発することの重要性を認識しています。
グラスゴー宣言は、気候変動対策の他、生物多様性、持続可能な農業、平等、公正な移行、健康などへの貢献にもフォーカスしています
グラスゴー宣言の進捗状況
2020年3月、IPES-FoodとNourish Scotlandは、イクレイなど地方政府や都市のネットワーク、NGO、国連機関、主な署名都市を招集し、グラスゴー宣言のドラフト案をまとめました。そして、地元のアクターを動員し、統合的な食糧政策をCOP26の議論の中心にすることを目指したプロセスをキックオフしました。
グラスゴー宣言は、2020年3月から11月にかけて、パートナーや地方政府、自治体との協議のもとで起草され、2020年12月14日に最終バージョンが公表されました。
グラスゴー宣言は11月6日(土)のCOP26ハイレベルイベントで正式に発表されます。最終バージョン公表以来、5大陸から60以上の地方自治体がグラスゴー宣言に署名しております。イクレイはパートナーとともにCOP26終了までに200の署名を集めることを目指し、より多くの自治体の皆様に賛同を呼び掛けています。
グラスゴー宣言への賛同には、都道府県や市町村区の代表もしくは都道府県議会や市町村議会議員、協議会の代表など地域の代表者の署名(電子署名も可能)が必要になります。
グラスゴー宣言に賛同した自治体は、気候変動、生物多様性、健康や生計改善などに統合する食糧政策に取り組むことを約束します。しかし、グラスゴー宣言に関連するモニタリングや報告の義務はありません。
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