【開催報告】イクレイ世界大会2022 in スウェーデン・マルメ(ハイブリッド)
イクレイ世界大会2022 in スウェーデン・マルメ【開催報告】
5月11日~13日、スウェーデン・マルメ市でイクレイ世界大会2022が開催されました。
1996年にイクレイ会員になったマルメ市は、気候変動に強靭なスマートシティであり、OECDは世界で4番目に革新的な都市としています。また、マルメ市は、スウェーデンで初めてSDGsを実施することを公言した都市であり、持続可能な取り組みに積極的に取り組んでいます。
そのマルメ市の会場に世界50カ国625人以上が結集しました。また、約200人がオンラインで参加しました。参加者のうち44%が150以上の都市、町、地域から参加した自治体および地⽅政府の代表者でした。その他、学術界や研究機関、⺠間セクター、市⺠団体や NGOが参加しました。
3日間にわたってハイレベルダイアログ6、対⾯セッション26、オンラインセッション10、13のモバイルワークショップを開催し、気候と自然の緊急事態に対処するためにイクレイが持っている力を示し、持続可能な都市の発展について議論・意見交換が行われました。
イクレイ世界大会ハイライト
オープニング・プレナリー(持続可能な都市世界に対する私たちのビジョン)
世界大会は5月11日、マルメ市への直接およびオンライン問わず、すべての参加者を歓迎するオープニングプレナリーで幕を開けました。
オープニング・プレナリーは、COVID-19とグリーンリカバリーによってもたらされる影響、課題、機会、そして公平に推進するためのあらゆるレベルでの国際協力の重要性を強調しました。
特に、今回注目されたのが、マルメ市長であるカトリン・シュテルンフェルト・ジャメ氏です。ジャメ市長はイクレイ世界大会の主催者として、持続可能性に関する以下の歓迎メッセージを述べました。
マルメ市の物語は、変化の物語です。1970年代、マルメは何千人もの人々を雇用する造船所を擁する工業都市でした。しかし、80年代になると、これらの産業は消滅し、人口も減少しました。90年代になると、スウェーデンの他の地域だけでなく、世界のさまざまな地域から、再び多くの人がこの街に移り住むようになり、持続可能でありながら活気に満ちた国際都市に生まれ変わりました。世界大会でマルメ市の取り組みを紹介し、また、2,500を超えるイクレイ・ネットワークから学ぶことを楽しみにしています。
11日オープニングの様子
挨拶を行うカトリン・シュテルンフェルト・ジャメ
マルメ市長
続いて、イクレイ会長である米アイオワ州デモイン市のフランク・カウニー市長が挨拶を行いました。
私たちは今、非常に厳しい時代を生きています。現在、世界の平均気温は10年当たり約2.2℃の割合で上昇しており、温室効果ガスの排出の大部分は都市部からもたらされています。現在の都市インフラは、急速に増加する世界人口を収容するには不十分です。私たちは今日から、気候変動に左右されない、回復力のある、安全で、住みやすい明日を実現するための開発アプローチを実施する必要があります。
私はウクライナで進行中の戦争を強く非難しています。また、気候変動による移住者も増え続け、私たちはいつでもどこでも、難民と共に歩み続けなければなりません。
イクレイが共に持続可能性を実現するための一助となることを願っています。
すべてのハンズオンデッキ:すべての人のための持続可能な都市世界の構築(5月11日)
このインタラクティブな対話セッションでは、イクレイグローバルアドボカシーディレクターのユヌス・アリカン氏のファシリテートのもと、イクレイ会員自治体の代表者がそれぞれの取り組みを発表しました。マーティン・ホーン フライブルク市長は松山市との連携についてPRしました。
また、地方政府や自治体、民間セクター、市民団体などの関係者が集結し、グループディスカッションが行われました。オンライン参加者によるブレイクアウトルームでは日本の自治体が国に先駆けてゼロカーボンシティ宣言に至った背景や市民を意思決定に参画させるための秘訣について質問が寄せられました。
マルメコミットメントが正式発足
マルメ市長兼イクレイ第一副会長のカトリン・シュテルンフェルト・ジャメ氏のリーダーシップの下、5月12日のハイブリッドセッション「人々を地域の持続可能な開発の中心に置く:マルメコミットメント」で、マルメ・コミットメントが正式に発足しました。
マルメコミットメントはイクレイのビジョンの1つ「環境に配慮した公正かつ公平な移行」に基づいて作成されており都市の変革に取り組む地方政府と自治体によって支持されています。このコミットメントにより、地方政府と自治体は、地域の持続可能な開発の中核にすべての人々と社会的平等を優先します。
日本のイクレイ会員自治体の活動
清水勇人さいたま市長がビデオメッセージという形で参加
清水勇人さいたま市長がイクレイ世界大会にビデオメッセージという形で参加しました。ビデオメッセージでは、さいたま本市が率先して脱炭素化等に取り組むことで、持続可能な都市の実現を目指していることに加え、2022本年11月にイクレイ日本と共催で「さいたまサステナブル都市サミット~E-KIZUNAグローバルサミット」の開催を予定している旨を発信しました。 このビデオメッセージは、サミットの紹介動画とともに、5月13日に開催されたイクレイ世界大会のオンラインセッション「都市の持続可能性の実現におけるAIの役割」で放映されたほか、イクレイ日本を通じてTwitterでも発信されました。
詳細・関連サイト
「City Gallery」ブースで会員自治体の取り組みをPR
イクレイ会員自治体の活動を紹介する「City Gallery」ブースでは、下川町、京都市、さいたま市、墨田区、富山市、広島市、松山市、武蔵野市の取組が紹介されました。また、京都市長と下川町長のメッセージ動画を再生し、来場者に日本の自治体の取組を広く知っていただく機会となりました。