G7広島サミット:都市が平和と持続可能な開発を牽引する役割を認識
2023年5月19日から21日にかけて、G7広島サミットが開催されました。このサミットでは、ロシアによるウクライナへの戦争、経済の回復力、気候変動など、重要な地球規模の問題について話し合われました。
G7の指導者たちは最終的な共同声明で、「世界中の都市の変革的な力が持続可能な開発のあらゆる側面を推進するドライバーであり、気候変動に関連する最も重要な課題に直面しているグローバルパートナーとの交流を支援するため、持続可能な都市開発に関する都市との協力を継続する」と強調し、気候変動に関連する問題に対処するための取り組みを約束しました。
また、G7の指導者たちは地方政府の重要性を認識し、「地方政府が他の利害関係者やパートナーと協力することによって、地元のニーズと環境条件に基づいた気候変動やエネルギーに関する行動を進める重要な役割を果たす」と述べました。
これらの取り組みは、2022年のドイツでの首脳会議で都市との直接的な協力の重要性が認識されたことに基づいています。首脳たちは都市開発政策に関する共同理解を開発し、都市の持つ潜在能力を引き出すための共同イニシアティブを決定するために関連する閣僚に課題を与えました。
日本が2023年にG7の議長国となって以来、G7は都市との関与に取り組む姿勢を深めています。G7気候・エネルギー・環境閣僚会議では、都市と地方自治体の声を反映した初のG7地方政府・自治体気候行動ラウンドテーブルが開催され、これにより都市との協力の具体的な進展がなされました。また、G7都市担当閣僚会議でも都市の重要性が確認されています。
生物多様性に関しては、G7は昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施において世界的な取り組みを主導する意思を示しました。その一環として、「G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス」が設立され、ネイチャーポジティブ経済の実現に向けた企業活動や情報共有を推進する役割を果たすことが期待されています。
また、資源効率性・循環経済に関しては、G7は日本が提唱し、G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合で採択された共通指針「循環経済・資源効率性原則(CEREP)」への支持を表明しました。これは、企業の循環経済イニシアティブの構築を奨励することを目的としています。
ドイツ・マンハイム市長 ピーター・クルツ氏(世界市長議会議長)メッセージ
U7事務局を代表して「過去3年間、Urban7はG7のプロセスで都市の声を届けるために取り組んできました。私は2年連続でG7の議長国が都市が地球規模の課題に取り組む上で果たす重要な役割を認識したことを喜んでいます。地方自治体はこれらの取り組みにおいてG7のメンバーにとって重要なパートナーとなります。Urban7は日本の省庁と緊密に連携し、地方政府が関連するG7閣僚会議に参加するよう取り組み続けます。
イクレイ会長 フランク・カウニー氏(アメリカ・デイモン市長)メッセージ
G7首脳会議は、世界の共同繁栄に対するコミットメントを示しています。先月、米国政府がアメリカズ・シティ・サミットを初めて開催したことも念頭に置きながら、これらのイベントは、グローバルヘルス、エネルギーセキュリティ、公正で開かれた民主主義、気候変動などの大きな課題に取り組むための調整された多層レベルの地域から国家への行動が唯一効果的な手段であることを示しています。イクレイと私たちのパートナーはUrban7参加グループを通じて、G7首脳会議からの共有された成果を推進するために取り組んでいきます。