【開催報告】生物多様性ウェビナーシリーズ
「生物多様性枠組の世界目標12:自然、都市化、健康の点と点を結ぶ」
都市化は健康や社会的・経済的な利益をもたらしますが、大規模で無計画な都市化は、気候変動や生物多様性の喪失など負の影響をもたらします。生物多様性世界枠組(GBF)の目標12は、グリーン・ブルーインフラと生態系サービスを活用して都市の健康と福祉を向上させることを目指しています。
本ウェビナーはイクレイ日本の内田東吾事務局長の司会で進められました。UN-HABITATのMaimunah Mohd SharifがビデオメッセージでGBFの目標12によって環境や人々の健康に与える利益を述べました。また、各地方自治体の代表者も自らの取り組みを共有しました。カガヤン・デ・オロ市は、生態系サービス保護委員会の設立や緑化プロジェクト、市民ボランティアの協力による環境保全などを行っています。オーストラリア・ヤラ市は高い人口密度を抱える中で、アスファルトを緑地に転換するプロジェクトやアボリジニ文化との協力による自然との共生を推進しています。名古屋市も緑地率の低下に対応し、建物建設時の緑地義務設置や名古屋グリーンパートナー制度など市民との協力による生物多様性保全を推進しています。
ウェビナーでは、地方自治体が環境保全と都市開発のバランスを取る重要性が強調され、国際的な協力と地方自治体の取り組みが不可欠であるとの共通認識が示されました。
COP15の勢いを保ち、COP16に向けた実際のアクションと情報共有が生物多様性保全に向けた重要なステップであるとウェビナーは締めくくりました。地方自治体の力強い取り組みが、持続可能な未来への道を明るく照らすことを期待しています。