イクレイ日本30周年記念行事・2023年度社員総会を開催(5月18日・19日)
イクレイ日本は2023年10月に創立、11月に本格的に活動を始めてから30周年を迎えます。5月18日、イクレイ日本30周年記念特別講演会と2023年度社員総会をハイブリッドで開催しました。
講演会では、「G7関係大臣会合と都市の役割:課題と将来展望」というテーマのもと、国土交通省と環境省の担当者から、G7の国としての視点から都市の役割に関する課題や将来展望についてお話をいただきました。
総会には19会員自治体にご出席いただき、それぞれの会員の取組みのご紹介やイクレイ日本に対する要望をいただきました。
次第に沿って議事を進め、2022年度事業報告・決算、2023年度事業計画・収支予算をはじめとする全ての議案が承認されました。
オンサイト型水素ステーションの見学
2023年5月19日(金)、イクレイ日本はさいたま市と東京ガスグループのご協力のもと、オンサイト型水素ステーションを見学するイベントを開催しました。板橋区、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、イクレイ日本の総勢6名が参加しました。UNFCCC-COP28のメインテーマの1つである「水素」をテーマに、オンサイトで都市ガスを改質し水素を生成している「浦和水素ステーション」の見学させていただき、また東京ガスグループの脱炭素に関する取り組みを発表していただきました。
現地では、まず東京ガスグループの脱炭素に関する取り組みを発表していただいた後、実際に水素製造装置や圧縮機、蓄圧器などの主要構成機器を見学し、各機器について分かりやすく説明していただきました。浦和水素ステーションでは、ステーション内で水素を生成・貯蔵する他、近くのステーションに水素を出荷しているそうです。
オンサイトで水素を改質することで、外部から水素を運搬する必要がない他、都市ガスのパイプランは地震があっても供給し続けることが可能なのでエネルギーの安定な供給に寄与します。また、水素を燃料電池自動車(FCV)などに供給する水素ディスペンサーを持ってみたところ、想像以上に重厚感がありました。
現在、全国で約163カ所の水素ステーションが運用されていますが、電気自動車・充電スポットに比べ、まだまだ普及しているとは言えません。また、燃料電池自動車(FCV)の普及など価格の面から課題は多いです。しかし、再生可能エネルギー由来の電力を利用して、水を電気分解し生成される水素エネルギー(グリーン水素)は、地球環境問題や石油枯渇問題,大気汚染問題などの解決策として今後の展開に期待されています。
今回の浦和水素ステーションの現地見学は、さいたま市、東京ガスグループの皆様にご協力のもと、普段は見ることができないステーションの裏側を見せていただきました。また、さいたま市の公用車であるFCVを試乗させていただき、内燃機関自動車とは異なる滑らかな乗り心地を感じるなど、水素に関する理解を深めることができ、大変有意義な視察となりました。