家庭の油で飛行機を飛ばそう:「東京2025世界陸上」サステナブルな取組

東京都は、本年9月に東京で開催される世界陸上競技選手権大会「東京2025世界陸上」のサステナブルな取組の一環として、持続可能な航空燃料SAFの原料となる使用済のてんぷら油など、家庭から出る廃食用油を回収するキャンペーンを開始しました。
世界最大級のスポーツイベントである「東京2025世界陸上」には、200か国・地域から2000人以上のアスリートが東京に集結します。本キャンペーンで回収した廃食油は、SAFに精製され、アスリートの移動にも使われる航空機の燃料になります。
持続可能な航空燃料SAF(サフ)とは?
SAFは、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の略称で、航空輸送の排出ガスを削減するために石油以外の原料から作られる代替燃料です。国際民間航空機関(ICAO)によると、これまでに150の空港でSAFを使用しています。世界的に見て、航空業は全体の二酸化炭素(CO2)排出量の2%を占め、輸送部門全体のCO2排出量の12%を占めています。ICAOは、2020年以降、国際航空部門からの温室効果ガスの排出を増加させないというグローバル目標を掲げており、SAFの使用は、この目標を達成するための最も現実的な手段の一つです。
SAFができるまでの工程
家庭等から回収した廃食用油は、国内初のSAFの大規模製造所(大阪府堺市)にてSAFに精製され、羽田空港など国内の空港に運ばれて航空機の燃料として使用されます。

東京都環境局HPより
市民が直接脱炭素に貢献できる機会
廃食用油はSAFの原料のひとつで、私たちが家庭で使用した天ぷら油などを持ち込むことで、サステナブルな燃料の製造に貢献できます。東京都では、家庭から排出される廃食用油の回収を促進し、カーボンニュートラルの実現のための個人の意識改革やそれに伴う意識変容を促進することを目的としています。また、家庭系廃食用油の回収には、多くの自治体や企業の協力が不可欠です。現在、資源循環による脱炭素化社会の実現を目指す「東京 油で空飛ぶ大作戦 Fry to Fly Project」が立ち上がっており、東京都を含む約100の団体が参加しています。人口1400万人の東京は、日本の中で最も廃食用油の回収ポテンシャルを持つ都市といえます。「東京 油で空飛ぶ 大作戦」のスローガンの元、皆さんも回収キャンペーンに参加してみませんか?現在、新宿の都庁舎のほか、区市町村など都内80か所に回収所が設けられています。
詳細は東京都環境局のホームページで御確認ください。東京2025世界陸上アスリートアンバサダー 北口榛花選手によるメッセージも必見です!
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