【東京都】「きれいな空と都市 東京フォーラム」を開催、「東京宣言」を採択
フォーラムでは、小池百合子東京都知事による冒頭挨拶の後、元ニュージーランド首相/前国連開発計画総裁であるヘレン・クラーク氏による環境汚染と気候変動の問題について基調講演が行なわれました。また、イクレイ日本理事長の浜中裕徳が首長級セッションのモデレーターとして参加しました。
持続可能な都市環境の実現に向けた自治体の役割と挑戦
プレナリーセッション(全体会合)では、都市における持続可能な都市環境づくりと今後のビジョンをテーマに各都市の首長・副首長らによる発表と意見交換が行われました。議論では、世界大都市の共通課題である廃棄物管理と大気汚染対策を進める上で、循環型社会づくりの重要性や、市民参加が不可欠であること等が強調されました。パラレルセッション(分科会)では、実務的な課題や施策に関する議論が行われました。
東京都の取組紹介では、小池都知事が、ボランティアや企業、NGO等と連携して「チームもったいない」を創設し、分別やリサイクルの更なる徹底など、一人ひとりの行動につながるような働きかけを行っていくことや、ゼロエミッションビークルの新車販売割合を2030年までに5割まで引き上げることを目指し、ゼロエミッションビークルや電動バイクなど、より環境負荷の低い製品について、業界と連携して普及を促進し、優れた環境技術の開発を後押しすること等を発表しました。そして、環境施策を推進するにあたり、武道でいう「心・技・体」になぞらえ、意識改革・技術革新・制度をトータルで進め、「きれいな空」と「きれいな都市」の実現を目指すことを提唱しました。
「きれいな空と都市実現に向けた東京宣言」の採択
最終日には、「きれいな空と都市実現に向けた東京宣言(Tokyo Declaration on Realization of Clean Cities & Clear Skies)」が会議の成果として発出され、フォーラムの参加都市による共同宣言として採択されました。宣言では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて都市の積極的な姿勢がますます求められていることが強調され、目指すべきビジョンや、そのビジョンの実現に向けた具体的な取組が示されました。
タラノア対話
最終プレナリーでは各都市の首長が、本フォーラムのような機会を通じて情報共有を行なうことの重要性や、一つの目標に向かって国際的なパートナーシップを築くことの大切さを表明し、共に目指すべき方向性が再認識されました。さらに大気汚染や廃棄物管理の取組において、気候変動やSDGsの各分野とのコベネフィット(共通便益)の追求が重要であり、今回のフォーラムでの議論は、パリ協定の達成に向けて世界各地で進められている「タラノア対話(*)」への重要な貢献の一つであるという認識が示されました。
*タラノア対話の目的は、温室効果ガスの排出削減取組について、世界のあらゆる主体が持つストーリー(経験やビジョン)を共有するプロセス。
参加都市
東京(日本) オークランド(ニュージーランド)
バンコク(タイ) 北京(中国)
チャンウォン(韓国) コペンハーゲン(デンマーク)
ダーバン(南アフリカ) ハノイ(ベトナム)
ホーチミン(ベトナム) 香港(中国)
ジャカルタ(インドネシア) ミラノ(イタリア)
パリ(フランス) ケソン(フィリピン)
ソウル(韓国) シンガポール(シンガポール)
シドニー(オーストラリア) 台北(台湾)
トムスク(ロシア) ウランバートル(モンゴル)
ヤンゴン(タイ) 横浜(日本)
詳細・関連情報
(東京都環境局総務部環境政策課)