「地域脱炭素フォーラム2025」で札幌市と北九州市が先進事例を共有
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2025年6月、環境省の主催により、札幌市および福岡市にて「地域脱炭素フォーラム2025」が開催されました。本フォーラムは、日本政府が掲げる2050年のカーボンニュートラルの実現、ならびに2030年度46%、2035年度60%、2040年度73%という温室効果ガス削減の野心的な目標の達成に向けて、地域に根ざした脱炭素化の取り組みを全国的に加速させることを目的としていました。
11日に開催された「地域脱炭素フォーラム2025 in 札幌」では、札幌市の秋元克広市長が開会挨拶に登壇。北海道が食料基地や観光立国としての歴史を持つ一方で、現在は脱炭素を産業集積・経済発展・地方創生へとつなげる「オール北海道」体制で取り組んでいることを紹介しました。
パネルディスカッションでは、札幌市が金融機能の強化・集積を目指し、GX認証制度の導入、情報プラットフォームの構築、GX推進税制の整備などを進めていることが報告されました。これらの取り組みにより、世界中の金融機関を呼び込み、アジア・世界の金融センターを目指す姿勢が示されました。
一方、15日に開催された「地域脱炭素フォーラム2025 in 福岡」では、北九州市の片山副市長が登壇。北九州市は、2020年にゼロカーボンシティを宣言し、2030年度には47%の削減を目標としていることを紹介しました。特に、CO2排出量の約6割が産業系であることから、民間企業への普及が課題とされるなか、北九州市では周辺自治体との広域連携による太陽光発電の普及、第三者所有方式の導入、地域電力会社との連携によるコスト平準化など、先進的な取り組みが進められています。2022年度末までに太陽光発電82施設、蓄電池70施設、高効率空調84施設を導入し、年間約2,000トンのCO₂削減を達成。さらに、2023年には年間9万枚の処理能力を持つ太陽光パネルリサイクル工場を立ち上げ、洋上風力発電や水素拠点化など、次世代エネルギーへの転換も加速しています。
2つのフォーラムを通じて、各自治体が地域の特性を活かしながら、脱炭素と経済・社会の両立を目指す姿勢が共有され、今後の全国的な脱炭素ドミノの展開に向けた連携の重要性が改めて確認されました。
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