「エジンバラ・プロセス」に関する取組
2020年4月以降は、新たな世界目標である「ポスト2020生物多様性枠組」を採択予定のCOP15(中国・昆明に向けて、世界の自治体の意見を集約する「エジンバラ・プロセス」が英国のスコットランド政府を中心に展開されました。
地方自治体も締約国と同様に行動計画のもとに生物多様性保全に取り組み、締結国と地方自治体が協調して愛知目標を達成することを求める決議文書。
エジンバラプロセスとは
世界の自治体からの意見を新たな世界目標やCOP15における決議に反映させるために、スコットランド政府を中心に世界の様々な自治体や団体が参加して進めている一連の取組。
愛知県が2016年に設立した「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」(※2)(以下、「連合」という)が共催し、愛知県はこれまでに、イクレイ日本などと協力し、オンラインセッションの主催や国内自治体向けの同時通訳付き配信など、積極的に参画していました。
エジンバラ・プロセス概要
- 主催:スコットランド政府
- 共催:ウェールズ政府、英国環境・食糧・農村地域省、地方自治体のグローバル団体(イクレイ、Regions4、ECoR、連合)
- 実施期間:2020年4月30日から2022年10月31日まで
- 主な活動:地域別・テーマ別のオンラインセッション、報告書・宣言の作成
愛知県の呼び掛けにより、先進的に生物多様性保全に取り組む世界の広域自治体(州・県レベルの自治体)とともに設立した団体。2021年9月現在、7か国から9つの広域自治体が加入。
エジンバラ宣言とは
エジンバラ・プロセスにおいて世界の自治体から寄せられた意見を、世界に向けて発信する宣言としてまとめた文書で、2020年8月31日(月曜日)に公開されました。新たな世界目標においても、各国の政府のみならず、自治体も重要な役割を担っていくという決意を表明するもので、連合も共催者として、愛知県の大村知事が2020年8月27日(木曜日)に署名しています。
エジンバラ宣言要旨
- ポスト2020生物多様性枠組の実施について
- 実施の主要な主体として、地方自治体が含まれることを歓迎する。
- 生物多様性保全の実施と主流化を、国、地方自治体や多様な主体間での連携により強化する。
- ポスト2020生物多様性枠組への決意
- 目標の達成に向けて、国家戦略と整合した取組を行う。
- 生物多様性保全のための資源動員を増加させ、生物多様性の主流化を推進する。
- 締約国への呼び掛け
- 地方自治体の果たす役割の重要性への認識を新たな目標に位置付けること。
- ポスト2020生物多様性枠組に地方自治体を一層取り込むための新たな決議(※3)のCOP15での採択を支持すること。
国内の署名自治体
愛知県から自治体ネットワークを通じて各自治体に呼びかけるなどした結果、54の自治体から賛同署名が集まり、国別の署名自治体数は日本が世界で最多となりました。(※下線はイクレイ会員自治体、青字は署名後にイクレイ加盟)
<愛知県内> 10自治体
愛知県、名古屋市、豊橋市、岡崎市、豊田市、稲沢市、大府市、日進市、長久手市、東郷町
<愛知県以外の都道府県> 16自治体
北海道、宮城県、東京都、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、高知県、徳島県、熊本県、鹿児島県、沖縄県
<愛知県以外の市町村> 28自治体
札幌市、北海道礼文町、岩手県金ケ崎町、仙台市、宮城県大崎市、宮城県登米市、栃木県小山市、さいたま市、埼玉県所沢市、千葉県野田市、千葉県いすみ市、東京都稲城市、神奈川県横浜市、神奈川県相模原市、新潟県佐渡市、石川県加賀市、石川県珠洲市、長野県松本市、京都府木津川市、神戸市、兵庫県丹波篠山市、兵庫県豊岡市、広島県北広島町、山口県宇部市、福岡県北九州市、熊本市、宮崎県綾町、鹿児島県大和村
賛同署名の募集は終了しました。
取組の成果
エジンバラ・プロセスは、COP15第二部での「生物多様性のためのサブナショナル政府、都市及びその他の地方自治体に関する行動計画(2023-2030年)」の採択という形で実を結びました。賛同いただいた自治体の皆様、誠にありがとうございました。
なお、生物多様性に関する新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」でも、「枠組の成功はあらゆるレベルの政府とすべての主体による行動と協力にかかっている」とされています。