イクレイ日本 30周年記念

2023年10月14日、イクレイ日本は、創立30周年を迎えました。30周年を記念し5月18日に環境省と国土交通省の担当者をお招きして「G7関係大臣会合と都市の役割:課題と将来展望」のテーマで特別講演会を開催しました。

挨拶

イクレイ日本理事長竹本 和彦 イクレイ日本 理事長

2023年、イクレイ日本は設立30周年を迎えることができました。今日に至るまでの間、皆様より戴いてまいりましたご支援、ご厚情に心より感謝申し上げます。また本記念誌にお祝いのメッセージを寄稿頂くとともに、イクレイ日本の将来展開に向けた励ましのお言葉を賜り、誠に有難うございます。

「イクレイ-持続可能性な都市と地域をめざす自治体協議会」は、「国連環境開発会議」(リオ・サミット、1992年)に向け、世界各地において地球環境問題の最前線で取り組みを進めている自治体同士の連携強化を強める機運の高まりを受け、1990年に世界的な自治体連合組織として設立されました。その後、持続可能な社会の実現を視野に入れ、各種活動を継続的に進展させ、現在は、125カ国以上、約2,500の自治体を擁する世界的ネットワークに発展してきました。また、気候変動枠組条約や生物多様性条約など関連条約下での国際交渉の場では、正式オブザーバー資格が付与されており、自治体の声を国連の議論に直接届ける役割も担っています。

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リオ・サミットにおいて採択された行動計画「アジェンダ21」では、地球環境問題の解決に市民が果たす役割が示されるとともに、市民生活に密接な関係を有する地方自治体の役割が強調されました。そうした観点から、地域における行動計画「ローカルアジェンダ21」が世界各地で策定されていくプロセスが、イクレイの各国事務所の設立につながり、そうした流れの中で、イクレイ日本が1993年設立されました。現在イクレイ日本には24の都市・地方自治体が加盟しており、①国内外の動向への対応、②会員活動支援、及び③調査・研究を主要事業の三本柱とし、こうした事業の成果を国際社会に発信(アウトリーチ)するとともに、国内外の動向や海外自治体の取組について、国内の会員メンバーに対し、関連情報を提供するなどの各種活動を展開しています。

近年、地球環境問題は量・質ともに大きく変化しており、経済や社会などを含めた統合的な解決を目指す課題となっています。とりわけ気候変動の分野においては、パリ協定が発効し、2050年のカーボンニュートラルをめざす中、中期目標が継続的に引き上げられるなど動向が加速するとともに、地域社会における取組の重要性が急速に高まりつつあります。また持続可能な未来を実現するうえで、市民や地元企業など多くのステークホルダーとのつながりや連携は不可欠です。そうした流れの中で、都市・地方自治体の役割が益々注目されてきています。
このように世界が脱炭素社会、持続可能な社会の実現に向け、ダイナミックな変革を遂げる中、イクレイ日本は、今後ともその役割をしっかりと果たせるよう一層の研鑽を積み重ねてまいりますので、関係各位のご支援ご指導を賜りますよう、引き続きお願い申し上げます。


イクレイ会長フランク・カウニー イクレイ会長(アメリカアイオワ州デモイン市 市長)

この30年間、イクレイ日本は、脱炭素と持続可能性に関して真のグローバル・リーダーシップを発揮している日本政府と、全国の地方自治体にとって、かけがえのないパートナーとしての地位を確立してきました。
イクレイ会長として、また米国アイオワ州デモイン市の市長として、私はイクレイ日本の節目となる30周年を祝うとともに、その歩みの中で得たいくつかの成功例を紹介します。イクレイ日本の献身的なスタッフは、脱炭素都市国際フォーラムを中心とした強力な日米パートナーシップを促進し、2050年までに日本の約1,000都市が脱炭素に到達できるよう尽力してきました。このパートナーシップは、G7日本議長国のもとでさらに強化され、Urban7というエンゲージメント・グループと、気候変動という緊急事態に対処するためのマルチレベルの行動の重要性が正式に認識されました。

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最後に、私の住むデモイン市は、姉妹都市である山梨県甲府市との長きにわたる関係から恩恵を受けており、今後も両国の自治体がお互いの脱炭素化の取り組みから学び合うことを期待しています。今後、数十年間、イクレイ日本は、すべての人が繁栄する、安全で環境的に安全な世界を創るという共通の使命のために、献身的なパートナーであり続けます。


ジノジノ・ヴァン・ベギン イクレイ世界事務局長

この度、イクレイ日本が、日本における地方のレベルでの持続可能性の推進してこられ30周年を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。イクレイ日本は、イクレイの最初のカントリー・オフィスの一つとして、世界の持続可能な発展に向けた取組における日本の地方自治体の声を集約し、現場での行動を促進する上で重要な役割を果たしてきました。

日本の地方自治体は、環境保護や気候変動対策に積極的に取り組んできました。自然災害や気候災害を受けやすい日本独自の現状や課題に加えて、日本は世界に対して貴重で実践的な解決策を提供し続けています。
今日、日本の何百もの地方自治体がすでに適応策と緩和策を備え、2050年までにゼロ・カーボンになると宣言していることを知り、嬉しく思います。また、1,000以上の地方自治体がSDGsを推進し、またその多くが生物多様性戦略行動計画を策定していることも心強く感じます。

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世界が地球規模の気候変動、生物多様性の損失、公害という三重の危機に直面している今、自治体が他の自治体やステークホルダーと連携して行動を起こし、解決策を提供することの重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。豊かな経験を持つ日本が、世界の持続可能性を継続的にリードし、貢献できると信じています。

個人的には、日本への訪問や日本が持つ豊かな文化をいつも楽しんできました。イクレイの世界事務局長として、こうした日本を代表する自治体の皆様と一緒にお仕事ができることを光栄に思います。
最後に、イクレイ日本事務所の益々のご活躍とご発展を祈念し、ご挨拶とさせていただきます。


日本と世界の動き・イクレイの歩み

青字は国内外の動向

1990年

43カ国、200以上の自治体関係者が国連本部に集合し、「持続可能な未来のための自治体世界大会」を開催。国際環境自治体協議会(International Council for Local Environmental Initiatives- ICLEI)設立。

1991年

世界事務局をカナダのトロントに、国際研修センターをドイツのフライブルクに設立して活動開始。

1992年
  • 環境と開発に関する国際連合会議(リオ・サミット)で気候変動枠組条約、生物多様性条約採択、砂漠化対処条約誕生、アジェンダ21が採択
  • 環境と開発に関する国際連合会議(リオ・サミット)に自治体代表として参加。以降、持続可能な発展に関する条約における自治体代表として国連のプロセスに参画する。
  • トロントで第2回世界大会開催。
1993年
  • イクレイとUNEPによる第1回気候変動に関する世界自治体サミット開催(於:ニューヨーク)。
  • 10月、イクレイの日本事務所として地球・人間環境フォーラム内にイクレイ日本創立。
1995年
  • 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第1回締約国会議(COP1)がベルリンで開催
  • UNFCCC-COP1の開催に合わせて、イクレイは第2回気候変動に関する世界自治体サミットを開催(於:ベルリン)、UNFCCCの正式オブザーバーとしてLocal Governments and Municipal Authorities (LGMA)を創設。以降、イクレイはLGMAの調整機関を担う。
  • 同年10月にイクレイと埼玉県の主催で第3回イクレイ世界大会兼第3回気候変動に関する世界自治体サミットをアジアで初開催(於:埼玉県)、気候変動に関する世界自治体宣言を採択。
1996年
  • 第2回国連人間居住会議(ハビタット2)開催(於:イスタンブール)

1997年

UNFCCC-COP3が京都で開催され、京都議定書採択

1998年

日本が地球温暖化対策推進法を制定。国や地方公共団体などが地球温暖化対策に取り組むための枠組みを定める。

2000年

UNESCAPによる第4回環境と開発に関する閣僚会合を開催(於:北九州市)。「クリーンな環境のための北九州イニシアティブ」を発表。

2003年

イクレイ(国際環境自治体協議会)が団体の使命を拡大し、名称を「ICLEI‐持続可能性を目指す自治体協議会(ICLEI ‒ Local Governments for Sustainability)」に変更、ドイツのボンに世界事務局移転。

2004年

イクレイ日本、中間責任法人として法人格を取得。

2005年
  • 京都議定書発効(第一約束期間2008年~2012年)。
  • UNFCCC-COP11(モントリオール)でマラケシュ合意を公式に決定。
2008年

日本国政府が環境モデル都市の取り組みを開始。低炭素社会の実現に向けて取組む自治体を推進。

2009年

イクレイ日本、中間責任法人から一般社団法人に移行。

2010年
  • 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)開催(於:名古屋)。
  • COP10のサイドイベントとして愛知県と名古屋市はイクレイと生物多様性条約事務局の協力のもと生物多様性国際自治体会議を開催、「自治体と生物多様性に関する愛知・名古屋宣言」を採択。「生物多様性のためのサブナショナル政府、都市その他地方自治体に関する行動計画(2011-2020年)」への支持を呼び掛けた。
2011年
  • 日本国政府が環境未来都市の取り組みを開始。環境モデル都市の中から、超高齢化、その他地域独自の課題に対応する自治体を支援。

2013年
  • IGESと連携協力協定(MOU)締結、IGESと共に環境省「JCM大規模案件形成可能性調査事業」活動を支える自治体プラットフォーム作り。
2015年
  • 気候変動枠組条約のパリ協定と持続可能な開発目標(SDGs)を含む持続可能な開発のための2030アジェンダを採択。
  • 第10回イクレイ世界大会開催(於:ソウル)。イクレイの戦略計画2015‒2021を採択。
2016年
  • 第3回国連人間居住会議(ハビタット3)開催(於:キト)。SDGsの採択を受けて、持続可能な都市と都市の権利の確立と都市での持続可能な生活を目指す国際的な取組み方針である「ニューアーバンアジェンダ」を採択。
  • 富山市とIGESが共同議長を務めるG7富山環境大臣会合パラレルセッション「都市の役割」にイクレイ欧州事務局長の他、イクレイの会員自治体が招待され、議長サマリーの策定に貢献。G7の枠組みに自治体が初めて参画。G7富山環境大臣会合の成果文書であるコミュニケ(共同声明)に「都市や準国家主体の役割の重要性」や「都市における先進的な取組の促進」が追記された。
2017年
  • 京都市主催の京都議定書誕生20周年記念-地球環境京都会議(KYOTO+20)の企画・運営に共催者としてイクレイ日本が参加。「持続可能な都市文明の構築を目指す京都宣言」を共同で宣言。
  • 欧州での開催を重ねてきた「地域再生可能エネルギー会議(イクレイとフライブルグ共催)の“海外スピンオフ”として、日本環境省、長野県、イクレイの共催による「地域再生可能エネルギー国際会議2017」を長野市で開催。「再生可能エネルギー100%地域をめざす自治体首長による長野宣言」を採択。
2018年
  • 第11回イクレイ世界大会開催(於:モントリオール)。「イクレイのモントリオール公約と戦略ビジョン2018‒2024」を採択。持続可能な都市に向けた指針である「5つの発展的道筋」を策定。
  • 日本国政府が「SDGs未来都市」の取り組みを開始。
2019年
  • IPCC総会(於:京都市)に合わせて、京都市が主催したイベントで「1.5°Cを目指す京都アピール」を発表。京都市は2050年ゼロカーボンを表明した最初の自治体となる。その後、イクレイは環境省と協力して、2050年ゼロカーボンを宣言する自治体の支援を行う。
  • 「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」(於:軽井沢)の開催に併せて「持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言」を長野県とイクレイが取りまとめ発表。この宣言文と国内外の自治体・団体からなる賛同者リストを、イクレイ日本理事長 浜中裕徳 様(当時)と長野県知事 阿部 守一が、当時の環境大臣に直接手交。
2021年
  • 第12回イクレイ世界大会のオンライン会合開催(於:オンライン)。「イクレイのマルメ公約と戦略ビジョン2021‒2027」を採択。持続可能な発展を都市化が進む21世紀の都市開発の唯一のモデルと位置づけ「5つの発展的道筋」を再定義。
2022年
  • 第12回イクレイ世界大会対面会合開催(於:マルメ)。
  • さいたまサステナブル都市サミット~E-KIZUNAグローバルサミット~をさいたま市と共催で開催。2023年のG7(議長国:日本)に向けて自治体の役割を発信し「さいたまサステイナブル都市サミット宣言」を発表。
2023年
  • G7各国の自治体ネットワークが協力してアーバン7市長サミットを主催し、自治体の重要性を強調する宣言を発表。イクレイは宣言の取りまとめや政府との調整を担当し、G7首脳コミュニケに影響を与え、自治体の役割を強化。
  • イクレイ日本30周年記念講演会を開催(2023年5月)。

イクレイ日本30周年記念特別企画

イクレイ日本30周年記念誌 持続可能な都市と地域の将来像

30周年記念誌

 

詳細・関連サイト

 

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