【開催報告】イクレイ世界大会2024 in ブラジル・サンパウロ
イクレイが主催し、サンパウロ市がホストを務めたイクレイ世界大会2024(オフィシャルサイトはこちら)は、96か国から約100人の首長を含む1,500人以上を集め、地域の気候変動やレジリエンス対策、マルチレベル・ガバナンス、持続可能性におけるアマゾン地域のユニークな役割などの重要な問題を取り上げました。この大会は、持続可能な都市開発における大きな一歩となり、ブラジルのベレンで開催されるCOP30への足がかりとなりました。
イクレイ世界大会2024は、サンパウロ都市サミットのメインイベントであり、都市の基本的な役割に焦点を当てた活動が盛りだくさんの1週間でした。インドに代わってブラジルが正式にG20の議長国となり、ブラジルの都市がU20をリードし、G20経済の中心で都市の声を高めることになります。
イクレイ世界大会 2024 レポート(英語)が発表されました。こちらからダウンロードしてご覧ください。
イクレイ東アジア地域理事会(RexCom)
6月19日、サンパウロにおいてイクレイ東アジア地域理事会(RexCom)が開催されました。会議の冒頭、イクレイ東アジア地域理事を務める京都市の松井孝治市長から、ビデオメッセージにより、東アジア地域の脱炭素化に向け、自治体間のさらなる連携の必要性が呼びかけられました。また、会員自治体を代表し、京都市から施策の取組状況について報告が行われたほか、イクレイ日本からも、活動状況や会員自治体の取組について報告を行いました。
【京都市】テーマ別セッションにて施策の発表が行われました
イクレイ世界大会の期間中にはさまざまなテーマごとのセッションが行われ、いくつかのセッションに京都市も登壇しました。
1日目に行われた「GCoM Global Cities Dialogue」では、登壇者により気候変動対策のためのマルチレベルの調整や協力に関する各都市の取組事例が発表・共有され、京都市から、国と地方自治体が連携したプログラムとして脱炭素先行地域における取組が紹介されました。
3日目に行われた「Tomorrow’s cities today: Megacities driving global change」では、大都市が直面する、急速な都市の成長に伴う複雑な課題や、より持続可能で公平な未来の探求に取り組むための協力・知識について意見交換が行われ、京都市による地球温暖化対策への貢献に関し、特に家庭部門対策としリリース・キャッチプロジェクト(衣服の地域循環プロジェクト)のインパクト、グリーンボンドの発行について発表され、登壇した他の自治体からも高い関心が寄せられました。
主要発表
-
イクレイ会長、新役職でデビュー
世界大会において、イクレイの新会長に選出されたスウェーデン・マルメ市長のカトリン・シュテルンフェルト・ジャメ氏は、イクレイ・サンパウロ戦略ビジョンを発表し、世界的に都市の持続可能性を高めるための野心的な目標と道筋を示しました。
-
イクレイ・サンパウロ戦略ビジョン
イクレイの今後3年間の戦略である「イクレイ・サンパウロ戦略ビジョン」は、持続可能な開発に向けた変革への道筋であり、地方自治体の声を反映し、真に持続可能な都市世界のために何が必要かを示すものです。
イクレイは、地域レベルから始まる活動を通じて、グローバルな変化を生み出すことにコミットしてきました。
私たちは共に、先見性のあるリーダーシップを発揮し、模範を示し、積極的かつオープンに知識を共有し、一致団結して発言していかなければなりません。イクレイのサンパウロ戦略ビジョンは、そのコミットメントの重要な一部です。こちらからダウンロードしてご覧ください。
イクレイとカリ市は、6月21日のプレナリーで、このサミットが名誉ある伝統を引き継ぎ、14年前に第1回サミットが開催されて以来、8回目の開催となることを発表しました。詳しくはイクレイ都市生物多様性センター(ICLEI’s Cities Biodiversity Center: CBC)のウェブサイトをご覧ください。
-
CHAMPイニシアティブとの連携を呼びかけ
クロージング・プレナリーで、イクレイ気候行動ガバナンス・ポートフォリオの議長を務めるカーチャ・ドルナー氏(ドイツ・ボン市長)は、地方自治体のリーダーたちに対し、2025年までにNDC(国が決定する貢献)を強化し、CHAMP(野心的なマルチレベル・パートナーシップ連合)を支援するよう呼びかけました。ドイツ、ブラジル、米国では、イクレイのリーダーが率いる自治体連合がすでにCHAMPを支持する決議を採択しています。
-
イクレイ・ジェンダー宣言の発表
イクレイの新しいジェンダー宣言は、ジェンダー平等を組織の中核的使命に組み込むという重要なコミットメントを示しています。この宣言は、2,500以上の地方自治体からなるイクレイのネットワークの指針となる枠組みであり、女性のエンパワーメント、ジェンダー特有の課題への対応、包括的なガバナンスと計画の育成に焦点を当てています。この発表では、すべての性別にとって公平な便益を確保するために、ジェンダーに対応した都市計画の重要な必要性が強調され、包括的で公平な都市開発の実践の重要性が強調されました。詳しくはイクレイ世界事務局のウェブサイトをご覧ください。
世界大会中に公開されたICLEI Ramp Up Resilience のウェブサイトは、都市のレジリエントな開発を推進し、健康で活気のある都市を創造するための取り組みをフォーカスします。ウェブサイトでは、イクレイのレジリエンスに関するリソース、プロジェクト、ニュース、ニュースレターなどをすべてご覧いただけます。
-
影響力のある私たちのネットワーク
イクレイは、「ゼロカーボン」「自然基盤」「公平公正」「レジリエント」「循環型」の5つのパスウェイ(道筋)を通じた持続可能な開発を推進し、会員自治体とともに数百の活動を行っています。イクレイ世界大会2024のために作成されたこのレポートで、私たちの活動と影響力についてご覧ください。
その他の主要発表は、イクレイ世界事務局のウェブサイトからご覧いただけます。