2026年新年メッセージ|自治体と国際協力で進める持続可能な都市づくり
2026年新年 イクレイ世界事務局長からのメッセージ
イクレイ世界事務局長のジノ・ヴァン・ベギンが2025年を振り返りながら、2026年に向けた重点テーマと今後の方向性について語ります。世界的な節目や各地域で広がる取り組み、パートナーシップの重要性、そしてレジリエンスと持続可能な社会づくりにおいて地方自治体が果たす役割を紹介します。
以下、メッセージ全文です。映像でもぜひご覧ください。
世界中の会員、パートナー、同僚、そして友人の皆さま、あけましておめでとうございます。2026年の始まりにあたり、まずは昨年1年を振り返るとともに、これから共に進んでいく道筋についてお伝えしたいと思います。
昨年、イクレイはその長く誇るべき歩みを世界各地で祝いました。設立から35年、アフリカでの30年、東南アジアでの21年、南アジアでの20年という節目を迎えました。また、エジプト、エルサルバドル、モルドバ、ウズベキスタンにおいて、初の会員自治体を迎えることができました。
オセアニア地域では、フィジー共和国・スバに「イクレイ太平洋諸島事務所」を新たに開設しました。ここを拠点に、地球上でも特に深刻な気候変動の影響を受けている地域社会への支援を強化していきます。さらに2026年には、メルボルンにあるオセアニア地域事務局の体制を拡充し、気候変動枠組条約第31回締約国会議(COP31)に向けたオーストラリアの国際的な役割を通じて、地方自治体の声を国際交渉の場により強く届けていきます。私たちは、持続可能性への野心を、世界のあらゆる地域で「実証された現実」へと変えていきます。
昨年、気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)では、イクレイとドイツ復興金融公庫(KfW)が、ProUrbanoプログラムを2030年までに総額5,800万ユーロ超へと拡大することを発表しました。本プログラムを通じて、ラテンアメリカ、メキシコ、カリブ地域の都市が、気候リスクをより深く理解・評価し、そのリスクデータを資金調達可能な適応プロジェクトへと転換できるよう支援します。
米国では、イクレイが最も支援を必要とする地域において民間投資の呼び込みを後押ししてきました。自治体投資基金を通じ、イクレイUSA事務所は46のコミュニティに対し、クリーンエネルギーおよび水分野の資金として1,150万米ドルの助成金を提供しました。また、パートナーであるClimate Viewとともに、気候行動計画プラットフォーム「Clear Path 2.0」を立ち上げ、数百の米国自治体による気候行動を次の段階へと支援しています。
東南アジアでは、インドネシアにおける「Urban Article 6」など、重要なプロジェクトが着実に成果を上げました。ジョグジャカルタでは、15年間で約83,000トンの二酸化炭素削減が見込まれる廃棄物発電事業が選定されました。
この勢いを受け、2026年はさらなる前進の年となります。アフリカでは、地方自治体による資金アクセスの強化に注力するとともに、持続可能な金融、フードシステム、環境負荷の低い調理(クリーンクッキング)の3分野にそれぞれ新たな卓越センターを設立し、影響力を拡大していきます。
2027年にエチオピアで開催予定の気候変動枠組条約第32回締約国会議(COP32)に向けたロードマップの一環として、イクレイアフリカ地域事務局は、世界の平均気温上昇が3℃を超える時代においても、住み続けられるレジリエントな都市の形成を支援していきます。約15か月後には、IPCCが「気候変動と都市」に関する特別報告書を公表予定です。これは、都市及び都市圏を対象とした初のIPCC報告書となります。この重要な文脈のもと、「Daring Cities 2026」を、地方自治体と国レベル政府がマルチレベルでの気候パートナーシップと投資へのコミットメントを深める重要な機会として位置づけていきます。
2026年は、国連リオ条約にとって極めて重要な年となります。8月にはモンゴル・ウランバートルで砂漠化対処条約第17回締約国会議(COP17)が開催され、11月にはトルコ・アンタルヤで気候変動枠組条約第31回締約国会議(COP31)が開催されます。また、生物多様性も引き続き主要な議題となり、アルメニア・エレバンで開催される生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)に向けた準備が進められています。同地では、第9回生物多様性自治体サミットを共同主催する予定です。さらに、7月には日本において第2回グローバル・ネイチャーポジティブ・サミットが開催されます。
さらに、水分野においても国際的な取り組みを本格的に再始動しています。世界水会議(WWC)、GWOPA、世界経済フォーラム(WEF)との新たなパートナーシップを構築し、2027年にサウジアラビア・リヤドで開催予定の第11回世界水フォーラムの政治プロセスとして、地方自治体トラックを招集・主導しています。
2026年は、5月にアゼルバイジャン・バクーで開催される第13回世界都市フォーラム(WUF13)や、ニューヨークで行われる国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)における「ニュー・アーバン・アジェンダ」採択10年レビューなど、地方自治体にとって重要な国際的節目が続きます。
本年はまた、「UN80イニシアティブ」による国連多国間システムの大規模な再編が進む年でもあります。実効性と効率性を高めるための抜本的改革が進む中、地方自治体の役割を一層強化することが不可欠です。イクレイは、実績あるアプローチの拡大、国の気候・生物多様性計画における都市要素の強化、サブナショナル政府による直接的な資金アクセスの確保、そして地域実装のための新たな制度的枠組みの創出を推進していきます。
イクレイは、これらの目標を実現するため、変革された国連システムを支えることに強くコミットしています。本年からは、2027年に開催予定のイクレイ世界大会に向けた準備も始まります。イクレイ世界大会は、世界中の地方・地域リーダーが集い、より持続可能な都市の未来に向けた行動を喚起する場となります。開催都市として、大韓民国・浦項(ポハン)市がイクレイ会員自治体としてホストを務めることを、ここに喜びをもってお知らせします。
2026年は、イクレイネットワークにとっても非常に刺激的な一年となるでしょう。よりレジリエンスで持続可能な未来に向けた皆さま一人ひとりの行動に、心より感謝申し上げます。イクレイスタッフ一同を代表し、皆さまにとって安全で健康的、そしてインスピレーションに満ちた2026年となることをお祈りいたします。
(ジノ・ヴァン・ベギン/イクレイ世界事務局長)

