持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2025)に参加して

2025年7月29日、公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)が主催する会議「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」が開催されました。
イクレイ日本が参画した2つのセッションを振り返ります。
1️⃣イクレイ日本及びIGESによるネットワーキングセッション
ISAPのプログラムの一環として、IGESと共にネットワーキングセッションを主催しました。イクレイ日本が定期的に開催している会員自治体の皆様との交流を目的としたイクレイカフェの拡大版です。ISAP会議に参加する自治体、企業、学術機関、ユース等、様々な方にご参加いただきました。
本セッションでは、最前線で活躍する研究者及び自治体職員に話題提供としてご発表頂きました。
話題提供① プラスチック汚染に関する政府間交渉委員会について
話題提供② ポストSDGsについて
話題提供③ 北九州市 海外出張報告
話題提供①では、IGES 上席研究員の粟生木 千佳 様より、国際的な法的拘束力のあるプラスチック条約の成立に向けたこれまでの交渉の経緯と条文案などについて、分かりやすく解説頂きました。粟生木様のプラスチック条約に関する最新のブリーフィングノート「段階的な強化を可能とするプラスチック条約に向けて」が公開されています。詳細を確認したい方は、ぜひご覧ください。
話題提供②では、IGESサステイナビリティ統合センター 副ディレクター/シニアリサーチマネージャーの小野田 真二 様より、2015年に国連で採択された、2030年までに達成すべき国際的な目標であるSDGs(持続可能な開発目標)について、これまでの達成度などを概説頂いたほか、2030年以降の開発目標設定に向けた議論を体系的に解説頂きました。IGESのホームページに、SDGs関係の出版物やプロジェクトが紹介されています。
話題提供③では、北九州市がドイツ・ボン市で開催されたDaring cities 2025「ボン・ダイアローグ」や国連気候変動枠組条約(UNFCCC)主催のラウンドテーブル会議に都市を代表して参加されたことを武内 和久 北九州市長の海外出張に同行された職員の方から共有頂きました。北九州市が実施している都市課題解決に向けた市民、企業、近隣自治体、海外都市等とのコラボレーションが、国際的な場において注目されたエピソードなどもご紹介いただきました。
2️⃣全体会合5 日本およびその他G7の都市における健全なネット・ゼロ移行のためのコベネフィットの活用
気候変動対策の実施は、温室効果ガス排出量を削減するだけでなく大気汚染物質も低減され、人々の健康に良い結果をもたらすことが多々あります。「日本およびその他G7の都市における健全なネット・ゼロ移行のためのコベネフィットの活用セッション」では、こうした気候政策と健康に関するコベネフィットに焦点をあて、IGESが主導する国際プロジェクトに参画している自治体などが登壇しました。イクレイ加盟自治体からは、川崎市が本プロジェクトに参画した経験をプレゼンテーションで発表したほか、イクレイ日本の内田 東吾事務局長が登壇しました。コベネフィットの視点を市民とのコミュニケーションに使っていくことや、対策効果を「見える化」していくことの重要性などが語られました。