【開催報告】気候変動枠組条約 第27締約国会議(COP27) in エジプト・シャルム・エル・シェイク
2022年11月6日から11月20日、気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)がエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されました。
議長国エジプトは8日、独自のイニシアティブとして、今後10年の間に取り組む具体的な目標が定められた「シャルムエルシェイク適応作業計画」を発表し、ステークホルダーに参画を呼びかけました。計画の進捗状況はドバイで開催されるCOP28で報告される予定です。
11月9日はジョン・ケリー米気候問題担当大統領特使が新たなカーボンクレジットの認証制度の創設を発表し注目されました。
COP27後半は損失と損害に関わる基金の創設をめぐって交渉が難航し会期が2日間延長しましたが、気候変動で大きな被害を受けた脆弱な国に「損失と損害」の資金を提供するという画期的な合意とともに、一連の決定事項をもって閉幕しました。具体的な内容についてはCOP28に持ち越されます。
気候変動の緩和策については、とりわけ大きな成果はありませんでした。
イクレイの成果
イクレイはスコットランド政府からの継続的な支援と、エジプト住宅省、マラケシュ パートナーシップ、LGMAネットワークのパートナーとの協力により、マルチレベル アクションパビリオンで、 70 以上のセッションを開催しました。
LGMAネットワークは150 名以上の市長、知事、評議員、その他の地方および州のリーダーを 含む 500 名以上の代表でCOP代表団を構成しました。初めてCOPで開催された都市化・気候閣僚会議は、これまで見られなかった方法で、気候・都市コミュニティを団結させました。
LGMA COP27閉会声明は、フランス・オータン市⻑であり、欧州地域委員会のLGMA COP27 代表団のメンバーであるヴィンセント・ショーヴェ氏によって⾏われました。
LGMAパビリオンで会員自治体の取り組みをPR
LGMAパビリオン内でイクレイ日本の会員自治体の活動を紹介する啓発ポスターを流し、来場者に会員自治体の取組を広く知っていただく機会となりました。
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サイドイベント報告
LGMAサイドイベント「持続可能な社会の実現に向けた都市の役割 – G7とUNFCCC-COPにおけるアーバンアジェンダ」にイクレイ日本内田事務局長ほか3自治体登壇(11月16日 23:00~)
G7の枠組みの下での国と地方自治体の連携は、2016年に富山市で開催された環境大臣会合・市長フォーラムから始まり、2021年のUrban7(U7)に至りました。
現在、U7グループは、G7諸国などに対し、U7を新しいG7エンゲージメントグループとして認識し、マルチレベルおよびマルチステークホルダーの協力をグローバルに強化するよう呼びかけています。
このセッションでは、U7の活動に焦点を当て、主要な国と地方のリーダーを招待して、 エジプトCOP議長国に対する期待を特定し、2023年のG7議長国である日本の下で都市アジェンダの見通しを確認するための認識を共有しました。
冒頭で環境省の水谷国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官が登壇し、2023年4月に札幌市で開催されるG7閣僚会議や、JICAの「グリーンシティ・イニシアティブ」について言及し、自治体や企業と推進している都市間連携の重要性を強調しました。
続いて、イクレイ日本の内田東吾事務局長の司会のもと、国内外の自治体の事例を紹介しました。
最初にGCoM会員である所沢市の藤本正人市長がイクレイネットワーク自治体の一員として登壇し、ゼロカーボンへの取り組みについて、特に都市化により緑が減少していくなか、市街地における緑の創出に取り組んでいることを紹介しました。
続いて、横浜市の発表の後、札幌市の秋元克広市長は、気候変動の影響で地域にとって重要な資源である雪が危機的な状況であることや、2023年G7の開催地として、寒冷地ならではの気候変動対策と再生可能エネルギーの活用の重要性を発信していく考えをビデオメッセージで表明しました。
また、イクレイ会長のフランク・カウニー氏は、登壇者とのディスカッションを行い、米国デモイン市長としての20年間にわたる取り組みを通じ自治体と気候イニシアティブをサポートする意向を表明しました。
最後に神戸市から久元喜造市長が、ビデオメッセージで2023年に開催されるU7市長サミットに向けた意気込みや開催国である日本ならではの特徴や強みを含めた内容を目指すことを発信しました。
【京都市】COP27に参加
【京都市】Multi-Stakeholder Climate Actions in East Asia(11月8日 17:30~18:45(JST))
京都市は、LGMAマルチレベルアクションパビリオンにて開催されたCOP27サイドイベントにおいて、ジノ・ヴァン・ベギン イクレイ世界事務局長進行の下、韓国 高陽市、中国 北京市、モンゴル 自然環境・観光省担当者が参加するパネルセッションに登壇しました。各自治体が市民や事業者、海外都市と連携して取り組んでいる気候変動対策について共有しました。>>>詳細はこちら
【京都市】日本・マレーシアの都市間連携を中心としたカーボンニュートラル優良事例の紹介:ルックイーストポリシー40周年を記念して(11月11日 0:00~01:30(JST))
京都市は、地球環境戦略研究機関(IGES)の主催で、ルックイーストポリシー(東方政策)40周年を記念するCOP27サイドイベントに参加しました。
イベントには、日本及びマレーシアの自治体の首長等が参加し、京都市の門川大作市長は、ビデオメッセージでマレーシア・ジョホールバル市、イスカンダル開発地域、ジョホール州との環境教育における都市間連携やゼロカーボンに向けたさらなる取組の推進について発信しました。
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【京都市】脱石炭連盟(PPCA)5周年記念イベント(11月16日 01:30~02:30(JST))
カナダパビリオンにて、チリ・セネガルをはじめとする政府関係者、金融機関、民間企業が参加する脱石炭連盟(PPCA)の5周年記念イベントが開催されました。京都市の門川大作市長はビデオメッセージで、京都市のPPCA加盟や、気候変動対策・脱石炭に向けた取組について発信しました。>>>詳細はこちら
【東京都】COP27に参加
東京都の小池百合子知事は、11月8日、エジプト・シャルム・エル・シェイクで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)にて以下の3つの会議に出席し、都の取組を発信しました。
ワールドリーダーズサミット ハイレベルラウンドテーブル
まず、エジプトのエルシーシ大統領とドイツのショルツ首相が共同議長を務めるハイレベルラウンドテーブルに、各国首脳や国際機関代表、民間企業CEO等とともに参加し、「未来のエネルギーへの投資:グリーン水素」というテーマに沿ってスピーチを行いました。
新築住宅等への太陽光発電の義務付け制度の議会提案など、再生可能エネルギーの基幹化に向けた取組のほか、グリーン水素を脱炭素社会の柱とすること、東京2020大会選手村地区への水素供給パイプラインの実装、まちのエネルギー源として水素利用を拡大していくことなどについてスピーチしました。
グローバルクライメイトアクション ハイレベルイベント
その後、グローバルクライメイトアクションハイレベルイベントに参加しました。
2050年ゼロエミッション、2030年カーボンハーフの実現に向けたTIME TO ACTの取組等、ハード・ソフト両面からの戦略的な適応策の実行について発信、議論しました。>>>アーカイブ視聴はこちら
マルチレベル・アクション・パビリオン ハイレベルダイアログ
続いて、イクレイ及び国連開発計画(UNDP)によるハイレベルダイアログに参加しました。
キャップ&トレード制度の成果や太陽光パネルの設置義務化に向けた取組など、大都市東京における建築物対策、気候変動対策の最前線に立つ都市が果たす役割の重要性等について発信、議論しました。
また東京都は、11月14日のJCI主催イベント「今こそアクションの加速を:日本の非政府アクターが進むネット・ゼロへの道筋」にもパネリストとして登壇しました。日本の各セクターを代表する非政府アクターたちがそれぞれの立場からネット・ゼロへの展望を語る中、東京都は、ゼロエミッション東京戦略や建築物対策の制度強化の方向性などを発信し、大都市東京が世界の脱炭素化に貢献していくことを示しました。>>>詳細はこちら
【横浜市】COP27現地パビリオンにて2つのセッションに登壇しました
LGMAパビリオンで16日に開催されたサイドイベント「持続可能な社会の実現に向けた都市の役割」および、ジャパンパビリオンで17日に開催されたサイドイベント「ゼロカーボンシティ実現に向けた先行的取組」に横浜市温暖化対策統括本部担当部長の高橋氏が登壇しました。
横浜市からは、脱炭素社会の実現に向けた取組として、脱炭素先行地域、再エネに関する東北等連携、循環経済等に資する脱炭素ライフスタイルの取組について紹介し、今後の国内外や様々なレベルでの連携の必要性を強調しました。また、国と地方の連携として、国・地方脱炭素実現会議に参加するとともにゼロカーボン市区町村協議会を立ち上げ、施策提言などを行っていることを説明しました。