【開催報告】気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)in アゼルバイジャン・バクー

 

アゼルバイジャン・バクーで開催された気候変動枠組条約第 29 回締約国会議(COP29)は、会期を2日延長し、2024年11月24日に閉会しました。
COP29の最大の焦点とされていたのは、「資金」でした。COP29の閉幕に際し、イクレイが窓口(フォーカルポイント)を務める自治体(LGMA)構成組織は、15年ぶりの主要な気候資金に関する合意を歓迎しました。しかし、この合意は世界中の地域社会が自らを守れるのに不十分であり、必要な資金の絶対的な下限を示すものです。COP29の全体的な成果が野心に欠けるものであったことに失望し、LGMAは、気候変動との闘いを迅速かつ大規模に継続するため、マルチレベルの行動の重要性が高まっていることを強調しました。

COP29には、100人以上の市長ら自治体リーダーと500人以上の自治体関係者が参加し、気候変動対策における都市と地域の役割等を発信しました。LGMA派遣団は、COP29参加国等の中で最大級の規模となり、交渉スペース、プレナリー会議、パビリオン、グリーン・ゾーンで170以上のイベントに参加しました。

イクレイグローバル・アドボカシー・ディレクターで、LGMAフォーカルポイントであるユヌス・アリカン氏は、「COP29の結果は、気候変動対策への国際的なコミットメントと連帯が、国内および地政学的な混乱の直接的かつ最大の犠牲者のひとつであることを明確に示している。この困難な時代において、持続可能な都市化と組み合わされた、あらゆるレベルの政府間における効果的な計画と実施は、気候変動に対する野心を高め、気候変動対策を実現し、世界的な連帯を維持するための最も重要な手段のひとつとなるだろう。LGMAは、このような価値観を支持するすべての各国政府と国際社会にとって、より強力なパートナーであり続けるだろう。」と述べました。

COP29の重要な成果として、「レジリエントで健康的な都市へのマルチセクター行動経路(MAP)宣言」がCOP29議長国のアゼルバイジャン政府より発表されました。LGMAを含む国や都市を含む160以上のステークホルダーがすでにこのイニシアティブに賛同しており、COP30に向けた気候交渉や政策議論の指針となることを目指し、気候の脆弱性への取組と持続可能な未来の育成における都市の重要な役割を強調しています。

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COP29交渉に向けたLGMA共同ポジション:LGMAはアドボカシー活動を推進するための3つの明確な要望を中心に団結

11月20日の「都市化の日」に、LGMAはCOP29の交渉に向けた自治体の要望である「LGMA共同ポジション」を発表しました。主に3つの要望(NDC策定等における自治体の参画とマルチレベルな行動の加速、都市化に対する公平な気候行動資金を確保、気候変動対策と持続可能なアジェンダの整合)で構成されており、COP29におけるアドボカシー活動もこれに基づいて行われました。この共同ポジションは、イクレイ日本の会員自治体である飯田市板橋区神戸市京都市さいたま市富山市広島市横浜市を含む100近い自治体やその世界的ネットワークによって賛同されています。LGMA共同ポジションの日本語仮訳はこちらをご覧ください。

COP29交渉結果に対する主なLGMAの反応(資金、緩和作業計画、グローバル・ストックテイク)

気候資金に関する新規合同数値目標(NCQG)について、LGMAは2030年までに数兆ドルを要求していました。そのため、2035年までに年間3,000億ドルの公的資金を含む1兆3000億米ドルという合意された世界的な資金調達目標は、上限ではなく最低限の額であること、気候資金調達手段が自治体の債務負担を増加させないことを確実にするよう主張します。

緩和作業計画(MWP)において、LGMAは、2024年に「都市と建物・アーバンシステム」をテーマに開催された、2回のグローバル対話を踏まえた具体的な提言が盛り込まれたこと、「第3回都市化と気候変動に関する閣僚会合」において、複数の都市イニシアティブが立ち上がったことを歓迎します。LGMAは、こうした会議やコンセプトをCOP30までにUNFCCCプロセスに組み込み、持続可能な都市化を通じた気候行動の機会を活用することを主張していきます。

LGMAは、COP29でグローバル・ストックテイクに関する決定が採択されなかったことを非常に懸念しました。しかし、LGMAはCOP28 UAEコンセンサスのパラグラフ161に従い、2025年までのNDC3.0の策定と準備に関与し、COP28の高い野心のマルチレベルパートナーシップ連合(CHAMP)イニシアティブを支援し、気候行動に関するマルチレベルの優良事例の増加、タウンホールCOPの開催、コミュニティを気候緊急行動や国家気候計画につなげます。COP29に対するLGMAの3つのプレス・リリース(英語)をご覧ください。

COP29に対するLGMAの3つのプレスリリース(英語)

プレス・カンファレンス 開会声明 閉会声明

日本のイクレイ会員自治体の活動

イクレイ日本会員からは、さいたま市東京都横浜市が現地参加しました。イクレイ日本職員も参加し、ジャパンパビリオンにおいてイベントを主催したほか、会員自治体のサポートを行いました。

【さいたま市】自治体を代表するLGMAの記者会見にさいたま市長が登壇

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【東京都】【さいたま市】イクレイ日本主催のセミナーを登壇

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【さいたま市】主催イベント「E-KIZUNA High-Level Talks」が開催

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【東京都】イクレイ主催イベントに自治体リーダーが集結

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【横浜市】C2P2の優良事例(横浜市・バンコク都連携)の発表(23:05~)
【さいたま市】清水 勇人 さいたま市長の閉会の辞(1:06:35)

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【COP29】グリーンファイナンスのセッションに内田事務局長が登壇

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マルチレベル・アクション&都市化パビリオン(LGMAパビリオン)

イクレイとUN-Habitat、アゼルバイジャン国家都市計画建築委員会(SCUPA)は、その他のイベント・パートナーの支援を受けて、共同で「マルチレベル・アクション&都市化パビリオン(Multilevel Action&Urbanization Pavillion)」を開設しました。COP29の期間中、パビリオンでは多数のイベントが開催され、気候変動対策に取り組む自治体の成果やコミットメントを世界に発信しました。

また、LGMAパビリオン内でイクレイの会員自治体の活動を紹介する動画を放映されました。イクレイ日本からは、京都市松山市さいたま市墨田区所沢市東京都横浜市豊田市に動画を提供いただき、パビリオンの来場者に日本の会員自治体の取り組みをアピールできました。

マルチレベル・アクション&都市化パビリオン|オフィシャルサイト

COP29で東京都知事 小池百合子、エネルギーと自治体の気候変動対策について見解を語る

イクレイ日本職員によるCOP29現地映像ダイジェスト

交渉の場、プレナリー・セッション、パビリオンなどの様子は、こちらのアルバムでご覧いただけます。

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