ユース(学生派遣事業)

イクレイ日本では、鳥取県のユースが気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)やフィンランドのトゥルク市を訪問する際の企画、福島県のユースがマレーシアで開催された国際会議へ参加する際の企画に携わるなど、会員自治体が実施しているユースを支援する取組にも積極的に関わっています。

鳥取県ユース

2023年、鳥取県は、イクレイ日本やIGES、地球温暖化防止全国ネットなどの支援を受け、初めて県内学生を気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)に派遣しました。3名の学生は、ジャパンパビリオンにおいて鳥取県の取り組みや脱炭素社会実現に向けて仲間づくりの大切さなどを広く発信し、会場内で他国参加者と意見交換を重ねました。
また、COP28会期中、鳥取県職員や県が派遣した学生が青木克德葛飾区長とともにCOP28の会場の様子を日本国内の視聴者に向けて、生配信しました。会場の案内や解説では、IGES上席研究員でイクレイ日本の顧問である藤野氏にもご登場いただき、イクレイ日本内田事務局長も参加協力しました。さらに、司会進行ではJCCCA平田事務局長(ドバイ側)と鳥取県地球温暖化防止活動推進センター(日本側)が連携し、日本からの質問には現地発信者がリアルタイムで答えました。

2024年、鳥取県は県内の学生とフィンランドからの学生との相互派遣事業を実施しました。日本とフィンランドの学生が互いの国を訪問し、脱炭素社会実現の鍵となる「食の循環」をテーマとして両国で関連施設や取り組みを視察し、意見交換を行いました。本派遣事業は、イクレイ日本も企画などに関わりました。

COP28参加学生からのメッセージ「トットリボーン!」

名古屋市(藤前干潟ユース)

2025年7月23日から7月31日まで、ジンバブエ共和国のヴィクトリアフォールズで開催されましたラムサール条約第15回締約国会議(COP15)に参加したユース3人へインタビューした内容を基に、名古屋市のラムサール条約湿地である藤前干潟で活躍しているユースの活動を紹介します。

(左から:中田 葉悠さん、西 亮憲さん、岸 晃大さん)

― 藤前干潟を守る会について -

藤前干潟を守る会(以下、守る会)は、愛知県名古屋市にある藤前干潟の保全や普及啓発、調査研究、干潟の見学者等の対応を行う「ガタレンジャー」への養成講座等を行っているNPO法人で、現在は約50人の方が活動しています。
また、環境省の施設である稲永ビジターセンターと藤前干潟活動センターの管理運営を受託し、藤前干潟をはじめとする環境保全の重要性を伝え続けています。

藤前干潟を守る会とは ガタレンジャー養成講座 ガタレンジャーJr.プログラム

― 藤前干潟ユースについて ―

藤前干潟ユースは、守る会に所属している15歳(中学生を除く)~35歳で構成されており、現在は約20人が活動しています。
主な活動は、自分たちの手で干潟の生物を調べる「調査研究」、勉強会や子どもたちへの環境教育・普及啓発イベントなどを行う「CEPA活動」、そしてこれまで築いてきた伝統と活動を受け継ぐ「事業の継承」です。特に事業の継承は、守る会も高齢化が進んでおり、その技術と知識が失われつつあるので次の世代に引き継ぐことはとても重要だと考えています。

藤前干潟ユース

― 藤前干潟を守る会に入会したきっかけ ―

⚪ 岸 晃大さん
「鳥が好きなので、藤前干潟には小学生の時から通っていましたが、大学生の時に守る会のアルバイトを紹介されたことがきっかけで守る会に入り、現在は藤前干潟ユースの理事を務めています。」

 

 

⚪ 中田 葉悠さん
「イルカとクジラが大好きで、毎週のように名古屋港水族館に連れて行ってもらっていました。飼育員の方と話している中で、小学4年生の時に水族館の学習交流課の方に「ガタレンジャーJr.プログラム」(守る会が実施している、小学4年生から中学生までを対象にした体感学習)を教えてもらい、参加したことがきっかけです。」

⚪ 西 亮憲さん
「小さい時は外に出るのが好きではありませんでしたが、鳥が好きになったことをきっかけに外に出るようになり、家族で藤前干潟にも行くようになりました。大学生の時に守る会の事を知り、活動に参加するようになったことがきっかけです。」

 


― ラムサール条約COP15に参加してみて ―

⚪ 西 亮憲さん

「昨年5月にラムサール条約事務局長のムソンダ・ムンバさんに藤前干潟をご視察いただきました。その際、干潟で活動するユースとの意見交換が行われ、事務局長から、「ぜひCOP15に参加し、世界のユースと交流してほしい」との力強い激励をいただいたことをきっかけに、名古屋市が藤前干潟ユースをCOP15に派遣することを決定し、参加することとなりました。
ラムサール条約COPにおいて、自治体がユースを派遣したのは初めての事例と聞いています。

国際会議に参加して発表することは初めてで、いろいろな国の方とコミュニケーションを取るのは緊張しましたが、コミュニケーションを取る中で国籍とかバックグラウンドが違っていても、湿地を守りたいという思いや鳥が好きという共通しているものが多くあり、すぐに打ち解けることができました。
ビクトリアフォールズも視察し、規模の大きさがとても印象に残っています。また、そのような大自然があるビクトリアフォールズ市と名古屋市が同じタイミングで湿地都市認証を受けることについて、純粋にすごいなと感じています。」

⚪ 中田 葉悠さん

「国際会議ということもあり、行政の関係者の方の参加も多かった印象があります。これまでは純粋に干潟を楽しんでいたため、行政の視点で湿地を考えることがなかったので、その視点を学べたことがとても新鮮でした。自分のこれからにとても役に立つ考え方だったと思います。」


― イクレイへの期待 ―

⚪ 岸 晃大さん
「イクレイとは、2023年11月に中国の昆明で開催された国際会議にユースとして参加した際に、初めて関わらせてもらいました。今回のCOP15にも参加して感じたこととして、イクレイは世界中にネットワークがあるので、国際会議の場で様々な人と繋いでくれます。その繋がりの強さはイクレイの強みであり、憧れる部分だと考えています。
日本のユースは世界に目を向けることについて、一歩踏み出せていない気がしています。
イクレイの方がいることによって英語のハードルも下がり、国際会議の場でも発表する機会を得られるなど、ユースの教育や経験という意味でも、とても有意義な時間を過ごすことができると考えています。
今後も様々な分野でユースの活動が期待されていると思うので、イクレイのネットワークを活用しながらユースも参画させてもらうことで、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。」

― 最後に ―

気候変動や生物多様性など、様々な分野でユースの活動への関心が高まっています。イクレイ日本は、引き続き会員自治体の取組やユースの活動を支援し、未来の担い手であるユースの声を世界に届けることで、持続可能な社会の実現に向けて貢献し続けていきます。

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