日本事務所だより No.1 ラオスにおける水道事業支援プロジェクトの現場から
イクレイ日本は、創立30周年を記念して、事務所の活動状況について報告するために、「事務所だより」を随時掲載することにしました。
2023年8月下旬、竹本理事長は日本ASEAN友好協力50周年を記念して開催された「日ASEAN50周年記念環境ウィーク」(ラオス・ビエンチャンで開催)関連行事に参加するために、ラオスを訪問しました。この訪問中、さいたま市から派遣されたJICA専門家である石川智一氏の案内に従い、現地の水道事業関連施設を視察する機会を持ちました。この報告では、石川専門家のご活躍の様子を含めて紹介します。
さいたま市は30年以上にわたり、ラオス国内の主要都市の水道事業の円滑な運営管理のために専門家を派遣し続けています。現在派遣されている石川専門家は、過去に埼玉県南水道企業団やさいたま市水道局での勤務経験を積み重ね、豊富な経験と専門的な技術力を持っています。彼は2021年5月から現地に赴任し、水道事業運営管理能力向上プロジェクト(MaWaSU 2)のチーフ・アドバイザーとして、国や県の水道行政機関、さらには首都ビエンチャン市、ルアンパバーン県、カムカン県の各水道公社における人材育成や制度構築などの技術支援に取り組んでいます。
ラオスでは、「2020年までに都市部に住む人口の80%に安全な水を供給する」という国家目標が掲げられており、JICAはこの目標達成に向けて、中央政府と地方政府の水道公社と連携して、水道施設の整備、関係者の能力向上、システムの円滑な推進のための制度構築などの技術支援プロジェクトを2012年から実施しています。現在、このプロジェクトは2期目(2018年〜2023年)の最終段階に入っており、石川専門家はプロジェクトの成功に向けて、現地のパートナーと協力して奮闘しています。
JICAは、2022年から「クリーン・シティ・イニシアティブ(JCCI)」を立ち上げ、持続可能な都市開発プロジェクトを世界中で推進しています。この技術協力活動もその一環として位置づけられ、ラオスにおけるSDGsの達成に向けて重要な役割を果たすことが期待されています。
さいたま市は2013年にイクレイに加盟し、清水勇人市長のリーダーシップのもと、国内外でさまざまな国際協力活動を積極的に展開しています。今回のラオス水道事業プロジェクトの視察を通じて、さいたま市の国際協力への長期的なコミットメントを実感し、今後の国際協力活動の一層の発展を期待しています。
(文責:竹本和彦)