台湾・台東県「金峰郷原生国際アートフェア&国際フォーラム2026」に参加!
2026年4月、台湾の桃源郷とも称される台東県・金峰郷で開催された「金峰郷原生国際アートフェア&国際フォーラム2026」に参加してきました。金峰郷は、台湾原住民の人々が多く暮らす地域です。
台湾原住民は、台湾の総人口の約2.5%を占め、政府が公認しているだけでも16の民族があります。漢民族が台湾に移り住むはるか以前からこの地で暮らしてきた人々で、それぞれの民族が独自の文化や伝統を今に受け継いでいます。

出典:中華民国先住民知識経済発展協会 出典:金峰観光ウェブサイト
金峰郷には5つの村があり、住民はパイワン族を中心とする原住民です。生活様式は一般的な台湾の人々と大きく変わりませんが、地域には今も独自の文化や風習が大切に残されています。
会議の会場は、原住民の村らしい自然豊かな屋外のフラワーガーデンでした。そこでは、代々受け継がれてきた知恵を生かし、いかに持続可能な暮らしを実現しているか、土地への深い愛着と文化の継承を大切にしながら、変化する気候にどう適応していくか、さらに災害へどう備えるかといった取り組みが紹介されました。
その土地ならではの自然環境や伝統的な知恵を生かし、自然と共生していくことも大きなテーマでした。
日本からは佐渡市が現地参加したほか、北海道栗山町がオンラインで参加しました。
佐渡市は、1981年に野生絶滅したトキが、現在では野生下で500羽程度まで生息するようになっていること、そのために実施してきた取組を紹介しました。野生のトキの個体群を回復させるためには、佐渡全体の生物多様性を回復させる必要がありました。トキの保護と共生を目指した農薬削減型の米づくりや、トキと共に生きる地域という価値を加えたブランド米の取組は、小・中規模自治体が自然保護と農業収益の両立を図る好事例として、台湾原住民の皆さんからも大きな関心を集めていました。
栗山町は、地元住民、企業、団体が参加する自然環境保護の取組を紹介しました。「サケが帰ってくる川づくり」では、サケの里親などが育てた稚魚の放流を体験することで、そのサケが遡上できるよう、地域住民の自然保護、川への愛着・関心が高まっています。また、環境保全やまちづくりへの参加で貯まるポイントを地域店舗で使える仕組みにより、地域経済の活性化と住民参加を同時に進めていること等も紹介されました。
また、会議では、気候変動への適応策は、土地を知らない外部の専門家が一方的に助言するよりも、その土地に根付いた住民の「当たり前の知恵」こそが、低コストで実効性が高く、住民参加にもつながるという趣旨の話があり、非常に印象的でした。
今回のイベントと視察を通じて、台湾原住民の歴史や知恵を深く知ることができました。文化を尊重しながら、頻発する災害にも適切に対応し、地域住民が一丸となって支え合っている姿は圧巻でした。たとえ土砂崩れの危険がある土地だとしても、原住民にとってそこは簡単に離れられる場所ではありません。合理的に「安全な場所へ移住する」ことだけが唯一の答えではなく、その土地に根差して生きる人にしか分からない価値があります。
レジリエンス、サステナビリティ、気候変動への適応など、そのすべての基盤には、土地に暮らす人々の知恵と結束があることを改めて実感しました。そして同時に、世界の事例を学びながらさらに進化していこうとする原住民の皆さんの熱意に感動しました。






