国連砂漠化対処条約第17回締約国会議(UNCCD COP 17)
2026年8月17日~28日、モンゴル・ウランバートルで「国連砂漠化対処条約第17回締約国会議(UNCCD COP17)」が開催されました。
砂漠化対処条約(UNCCD)は、深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国が砂漠化対処のための行動計画を作成・実施し、これを先進締約国が支援することを規定した条約です。現在、日本を含む197カ国がこの条約に署名しています。今回のウランバートルで実施されたUNCCD COP17には、197の締約国の代表だけでなく、自治体、国際機関、企業など、多くのステークホルダーが参加しました。
今回のテーマは「Restoring Land. Restoring Hope(大地を再生し、希望を取り戻す)」でした。
土地劣化や干ばつは、農林業や自然環境だけでなく、水資源、食料システム、都市のレジリエンス、地域コミュニティなど、自治体が担うさまざまな分野と深く関わっています。こうした課題に対し、地域の実情に即した取組を進める自治体の役割が注目されています。
イクレイ(ICLEI)は、自治体がこれらの課題の最前線に立ち、水の安全保障、食料システム、生態系、地域コミュニティへの影響に対応していることを公式イベントのUNCCD COP17市長フォーラム(後述)等で発信しました。
こうした取組を通じて、自治体は、土地、気候変動、生物多様性をそれぞれ別々の政策課題として捉えるのではなく、相互に関連する一体的な課題として捉え、総合的に取り組んでいます。
UNCCD COP17市長フォーラム
UNCCD COP17市長フォーラム(UNCCD COP17 Mayors’ Forum)は、2026年8月20日~22日に、UNCCD COP17のブルーゾーンで公式イベントとして開催されました。30カ国以上から200人を超える参加者が集まり、市長、知事をはじめとする自治体のリーダーが一堂に会しました。本フォーラムは、首都知事兼ウランバートル市長室、国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局、国連人間居住計画(UN-Habitat)、イクレイ(ICLEI)が共同で開催し、世界都市・自治体連合(UCLG)およびLocal2030 Coalitionが主要パートナーとして参画しました。持続可能な土地管理や干ばつへのレジリエンスに向けた地域の取組を推進する重要な機会となりました。
フォーラムの開会挨拶で、イクレイのジノ・ヴァン・ベギン世界事務局長は、リオ3条約(砂漠化対処条約、気候変動枠組条約、生物多様性条約)にまたがる統合的な取組の実施とともに、3つの条約のプロセスすべてにおいて、自治体を重要な実施パートナーとして位置づけ、必要な資源を確保することを求めました。
また、自治体にとって、気候変動、生物多様性、土地をそれぞれ別々の政策課題として捉えるのではなく、限られた資源と増大するさまざまな圧力の中で、相互に関連するシステムを管理し、レジリエントで暮らしやすく、持続可能な地域を実現するという共通の課題に取り組むことが重要であると述べました。さらに、国レベルの計画の連携強化、資金調達の仕組みの改革、そして各分野の取組を横断的に連携・調整するための戦略的な調整機関の必要性を強調しました。
フォーラムでは、「ウランバートル宣言(Ulaanbaatar Declaration)」が採択され、国連砂漠化対処条約(UNCCD)のプロセスにおける都市・地域の強固で恒久的な役割を求めました。また、ハイレベルな政策対話、技術交流、都市間の知見共有が行われました。都市の生態系再生、砂嵐、水不足、干ばつへのレジリエンス、持続可能な都市成長、革新的な資金調達など、幅広いテーマについて議論が行われました。国際機関、都市ネットワーク、金融機関、学術界、民間セクターなどからも参加者が集まり、持続可能な都市づくりと土地管理に向けた取組の推進について知見を共有しました。
「ウランバートル宣言」の5つの主要な行動
UNCCD COP17市長フォーラムの主な成果の一つとして採択された「ウランバートル宣言」では、以下の5つの行動が提言されています。
- 持続可能な土地管理、干ばつへのレジリエンス、生物多様性、気候変動、水の安全保障、持続可能な都市づくりに関する自治体の取組を分野横断的に進め、都市と農村の連携を強化する。
- UNCCDのプロセスにおける地方・地域政府の役割を強化し、自治体が国際的な議論に継続的かつ体系的に参画できる機会を拡充する。
- リオ3条約(砂漠化対処条約、気候変動枠組条約、生物多様性条約)と水に関する取組の連携を強化し、2030アジェンダに沿った地域レベルでの環境・気候変動対策を推進する。
- パートナーシップや資金を通じて自治体の取組を支援し、地方・地域政府が土地の再生や干ばつへのレジリエンス強化に必要な資金へ、より直接的、簡素かつ安定的にアクセスできる仕組みを整える。
- 自治体・地域間の知見共有や実践的な取組事例の交換を通じて、持続可能な土地管理に関する知識、イノベーション、連携を促進する。自然を活用した解決策(Nature-based Solutions)についても、自治体間で知見や経験を共有する。
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